週刊やまとごころ通信バックナンバー

週刊やまとごころ通信バックナンバーをご紹介します。

「インバウンド再生元年」2023年に地域が取り組むべき3つのこと

やまとごころ通信 Vol.948

おはようございます。やまとごころ.jp編集長の堀内です。

2023年になって10日経ちましたが、皆さんは、年末年始どのように過ごされましたか? 観光業
に従事する方たちは、1年のうちの最大の繁忙期ということで、忙しい日々を過ごしたのではない
かと思います。

私は、年越しの家族旅行で愛知県の渥美半島に行ってきました。毎年の恒例行事ですが、姪っ子
が生まれてからは、訪れる場所に変化がありました。それまでは、箱根、熊野、伊勢神宮といっ
た有名な観光地だったのが、兄夫婦の家からの距離を考慮した場所に変わり、以前だったら選択
肢に入らなかった水族館やテーマパークに行き、食事処も、キッズメニューや子供が食べたいも
のがあるかどうかで選ぶようになりました。

今までとは違う時間の過ごし方ですが、もうすぐ3歳になる姪っ子は、1年前に比べて人見知りも
和らぎすっかり人間らしくなり、会話もできるようになっていて、一緒に遊ぶなど、すごく充実し
た時間を過ごしました。

一方、そのようなひと時を過ごして、1つ感じたことがあります。

ここ数年の日本の観光産業では「アドベンチャー」「高付加価値化」「サステナビリティ」など
のキーワードを軸に「体験」を重視する観光資源の磨き上げが進んでいます。これは、時代の流
れからも必要不可欠なことですし、欧米に比べると弱い分野なので強化が必要であることは間違
いありません。ただ、その流れが強いあまり、無意識のうちに「付加価値の高い高額な体験が優
れていて、そうではないツアーは劣っている」とみている自分がいることにも気づきました。

子連れで動物園や水族館を訪れる旅も、ビーチでのんびり過ごす旅も、ショッピング三昧の旅
も、どれも旅行者にとっては価値ある旅で、優劣がつくものでもありません。

観光業界の生産性向上や付加価値アップが特に重要なテーマではあることはもちろんですが、も
っと広い視点をもって観光業を捉える必要がある、と再認識しました。旅において大切なこと
は、一緒に旅する人と記憶に残る素敵な思い出を作ること、旅先での新しい出会いなど。それを
サポートするのが、観光業界に携わる私たちのミッションではないかと、年越し家族旅行をしな
がら、改めて感じました。

最後に、姪っ子にせがまれて、旅館で体を張って一緒に遊んだら、とても喜んでくれましたが、翌
日腰が猛烈に痛くなり、自分の体力を過信しないことが、家族旅行での最大の学びでした(笑)。

今回のやまとごころ通信では「年始企画」として、代表村山より地域でインバウンド観光に携わ
る事業者の方へのメッセージを掲載しました。また、「ショッピングツーリズム」「訪日クルー
ズ」の2023年の動向を、専門家の方に寄稿いただきました。本日は「MICE」、明日は「観光イン
バウンド人材」の記事も公開しますので、あわせてご覧ください。

━━━━━━━━━━━━━━━━━
「インバウンド再生元年」2023年に地域が取り組むべき3つのこと
━━━━━━━━━━━━━━━━━
「インバンド再生元年」として、本格的な訪日観光回復への期待が高まっている2023年、勢いを
味方につけるために各地域が取り組むべきことを、やまとごころ代表の村山がお伝えします。

12月末に発表された観光庁予算にもインバウンド回復に向けた多くの施策が入っています
【徹底解説】2023年度観光庁予算決定、前年比38%増の307億円。インバウンド回復に向け戦略
的な施策盛り込む


━━━━━━━━━━━━━━━━━
2023年ショッピングツーリズム動向|初心に戻りオールジャパンで訪日客の迎え入れを
━━━━━━━━━━━━━━━━━
訪日客数の回復と同時に伸びが期待される、インバウンド客による買い物消費。地域の事業者に
向けたメッセージをお届けします。

━━━━━━━━━━━━━━━━━
2023年クルーズ動向|中国不在も本格再開、欧米市場の獲得カギに
━━━━━━━━━━━━━━━━━
コロナ禍で往来が途絶えて久しい国際クルーズ船が、2023年春からようやく日本でも再開。今後のクルーズ
市場の動向と予測についてお伝えします。

━━━━━━━━━━━━━━━━━
生活費の高い都市ランキング2022年版発表、世界一お金のかかる都市はどこ? 日本の順位は
━━━━━━━━━━━━━━━━━
世界の多くがインフレに見舞われた2022年、経済雑誌エコノミストの調査部門が発表した世界
で最もお金のかかる都市のランキングにもそれが反映されています

━━━━━━━━━━━━━━━━━
中国入国時の隔離撤廃による渡航者増に備え、日本政府 8日から水際対策さらに強化
━━━━━━━━━━━━━━━━━
ここにきて中国からの渡航者への水際対策を強化する国が増えています。日本もさらなる強化を決
定しました。

━━━━━━━━━━━━━━━━━
世界の入国規制状況は? 1/3時点で規制なし119カ国・地域。中国からの渡航者への規制強化する
国増加

━━━━━━━━━━━━━━━━━
UNWTO(国連世界観光機関)とIATA(国際航空運送協会が共同で開発したデスティネーショ
ン・トラッカー。最新データでは水際対策を強化した国が増えました。

━━━━━━━━━━━━━━━━━
【宿泊統計】2022年10月の延べ宿泊者数4427万人泊。個人旅行再開で外国人大幅に回復
━━━━━━━━━━━━━━━━━
10月の宿泊者数は夏休み期間の8月には及ばなかったものの、2カ月ぶりに4000万人泊を突破。全
国旅行支援やインバウンド観光再開で勢いがありました。

━━━━━━━━━━━━━━━━━
やまとごころ編集部のつぶやき
━━━━━━━━━━━━━━━━━
明けましておめでとうございます。今年は元日に近所の神社に初詣に行きましたが、いまだかつて
無い行列ができていました。「近場から少しずつお出かけしよう」「今年こそは良い年に」とい
う気持ちが表れているように感じました。ついに、中国のゼロコロナ政策が終わりを告げたよう
で、インバウンド業界も飛躍する年になる予感がします。少し先の未来も見通せない日々で手探り
の状態が続きますが、2023年は平和に交流のできる世界に成りますように。
(清水陽子)